自己破産の豆知識

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住宅ローンで自己破産する前に検討したい対処法まとめ

■はじめに
住宅ローンが支払えなくて自己破産すると、すべての借金を返す必要がなくなります。
しかし、マイホームや車などの財産を残すことができませんから、自宅や車などを持ち続けていたい場合には、個人再生や任意整理などのほかの債務整理の方法を検討したほうがいいかもしれません。自己破産をする前に考えておきたい対処法についてご説明します。

■自己破産と個人再生の違い

債務整理には、自己破産のほかに個人再生と任意整理の3通りの方法があります。
どれを選ぶかによって自宅を残せる可能性があり、残った住宅ローンの支払い方が違ってきます。
自己破産を選択すれば借金をゼロにすることができますけど、マイホームをはじめとして車やほかの財産が没収されてしまいます。
個人再生はマイホームを残すことはできますけど、引き続き住宅ローンを返済していかなければなりません。
任意整理も自宅にそのまま住むことができますが、自己破産や個人再生に比べると減らすことのできる金額が少ないというデメリットがあります。
どの債務整理を選ぶかの判断は、自宅を残したいかどうか、どれだけ借金の額を減らすことができるかで決まるでしょう。

■個人再生と任意整理の違い

この二つの大きな違いは、個人再生は裁判所を通して申請する必要がありますが、任意整理は債権者との話し合いによって債務整理が行われます。
任意整理のほうが裁判所を通さない分だけ、簡単に手続きをすることができるため、3つの債務整理の中では一番多く利用されている方法です。
ただし、借金の減額の幅は個人再生より任意整理のほうが少額となるため、住宅ローンの残額が多い場合はより多く借金を減らせる個人再生のほうが適しているかもしれません。
住宅ローンの残額が少ない場合や、十分な収入があって払い続けていけると判断された場合は、任意整理が選ばれるでしょう。

■自己破産後の住宅ローン

自己破産をした後に住宅ローンがどうなるかですが、金融機関などの債務者によって自宅は売却されます。
住宅ローンの支払いが済んでいる場合も、自宅は財産と見なされ没収されることになります。
自己破産では自宅を残すことはできませんけど、住宅ローンの支払いが重過ぎて支払っていけない場合は有効な方法と言えるでしょう。
ただし、浪費やギャンブルなど債務の内容によっては、自己破産を選択できない場合があるため気をつけてください。
自宅や車を所有していて処分されたくない場合は、ほかの債務整理を選んだほうがいい場合もあります。
特に地方に住んでいる人は、車がなくなると移動手段に困る場合がありますから、別な理由で自己破産を選択できないことも起こりそうです。

■個人再生後の住宅ローン

個人再生を選択すると、「住宅資金特別条項」の制度が利用できます。
住宅資金特別条項は、家を手放さずに住宅ローン以外の借金を整理できるという制度です。
個人再生後は自宅に住み続けることができ、再生計画表を作成して、今後どのようにして住宅ローンを支払っていくかの計画を立てます。
個人再生を利用すれば月々の返済額を減らしたり、住宅ローンの返済期間を延長することなどが可能になります。
ただし、個人再生は3年~5年の短期間に完済することが条件となっているため、返済できる収入のある人が対象となっています。

■任意整理後の住宅ローン

任意整理もまた、自宅を手放さずに債務整理ができる方法です。
任意整理を選択すると交渉の対象となる債権者を選ぶことができるため、住宅ローンを債務整理の対象からはずし、ほかの借金を整理することができます。
任意整理した場合はほかの借金を少なくした上で、住宅ローンを今までどおり支払っていくことになるでしょう。
住宅ローンの残りの期間が短かったり、借金の額が少ない人に向いている債務整理の方法です。

■連帯保証人に相談

住宅ローンを組む際には連帯保証人をつけており、印鑑を押してもらっているはずです。
自己破産をしても借金自体はなくならず、代わりに連帯保証人が返済義務を負うことになります。
身内が連帯保証人になっていると思いますから、自己破産をする前に相談しておいたほうが良いでしょう。
連帯保証人に住宅ローンの返済を協力してもらえる場合もあるので、早めに相談しておきましょう。

■住宅ローンの借り換え

債務整理を行った後は、5年~10年は住宅ローンの借り換えができなくなります。
個人再生や任意整理により自宅が残ったとしても、5年~10年は住宅ローンをそのまま支払い続けなければなりません。
計画的に立て直しをはからないと、再び同じような金銭トラブルの問題に悩まされることになるでしょう。
住宅ローンの借り換えも含めて、慎重な返済計画を練っておく必要があります。

■クレジットカードの作成

自己破産すると、現在使っているクレジットカードが使用できなくなり、新たにカードを作ることもできなくなります。
自己破産をしたという履歴が信用情報機関に残され、カード会社に伝わってしまうためです。
クレジットカードが使えなくなれば、現金で生活していけなければなりません。
5年~10年の間はクレジットカードを作れなくなりますが、その後なら新しく作ることができるようになります。

■携帯電話の契約

自己破産をすると携帯電話がどうなるかですが、分割ローンの支払いが残っていた場合は免責となり、支払う必要がなくなります。
携帯電話はそのまま使うことができますけど、料金の支払いにクレジットカードを利用することはできませんし、新たな契約ができなくなります。
新たな機種に換える場合は、現金で購入することになるでしょう。

■給料の振込み先の変更

光熱費などの公共料金の支払いをクレジットカード払いにしている方は、多いのではないでしょうか。
クレジットカードがなくなることで不便なことがいろいろ出てきますから、事前に手続きを行っておくようにしてください。
まず、自己破産後に債務者の銀行に口座を凍結されるため、お給料が引き出せなくなります。
生活に必要な分のお金は所有することができるため、ほかの銀行口座に移しておく必要があります。
給料引き落としの口座をほかの銀行に変更し、公共料金などの支払いをカード払いにしている人は、現金払いに切り替えましょう。
現金払いにしておくと自分の都合に合わせて支払うことができますから、口座引き落としより現金払いのほうが便利ですし、コンビニなどで支払う方法も選べます。

■自己破産後の生活

自己破産で借金を無くすことはできますけど、その後も生活をしていかなければなりません。
家を手放せば新居に引っ越しをしなければならず、引っ越し費用や家具を買うお金、生活費などが必要になります。
自己破産をしても、生活に必要な現金や家財などは残すことができます。
それでも必要最小限の暮らしになりますから、お給料の振込先の変更など細かいことまで考えておいたほうが良いでしょう。

<まとめ>

自己破産や個人再生または任意整理などを行った後は、住宅ローンをどうやって支払っていくのかについてよく考えましょう。家を手放してもいい場合は自己破産、個人再生や任意整理を選択すると、住宅ローンを支払い続けていくことになります。それぞれに減額できる金額の大きさや手続きの複雑さ、弁護士に依頼する費用などが異なりますから、最適な方法をお選びください。

住宅ローンの負担を軽くする方法には、自己破産以外に個人再生や任意整理などの選択肢があります。マイホームを残したい場合は、ほかの方法とよく比較してご検討ください。

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